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旅行や出張に、スマートフォンの充電用のモバイルバッテリーを持っていく方は多いですよね。でも、飛行機に乗るときのルールは、ここ数年で何度か変わっています。「前は機内で充電できたのに?」「何個まで持ち込める?」と迷っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、国土交通省が公表している「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて」の資料をもとに、2026年4月24日から適用されているモバイルバッテリーのルールを7つに分けて整理しました。容量(Wh)の計算方法や、予備の電池の扱い、出発前に確認しておきたいこともあわせてご紹介します。
※この記事は、国土交通省の資料で確認できた内容をもとにしています。航空会社によっては、より厳しいルールを設けている場合があります。外国の航空会社を利用する場合は、各航空会社の指示に従ってください。搭乗前に、利用する航空会社の案内もあわせて確認してください。
モバイルバッテリーの機内持ち込みルールはなぜ変わった?
機内での発煙・発火への対策
国土交通省の資料では、国内外において、機内でのモバイルバッテリーの発煙・発火などの事例が発生していると説明されています。モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、衝撃や損傷などにより発煙・発火に至るおそれがあるそうです。
2025年7月と2026年4月の2段階で変更
国土交通省は、2025年7月8日から、モバイルバッテリーを座席上の収納棚に入れないことなどを、協力要請事項として新たに呼びかけました。
さらに、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際基準の緊急改訂を受けて、日本でもこれに準拠した基準の変更が行われました。資料によると、ICAOの緊急改訂案は3月27日(現地時間)にICAO理事会で承認され、即日適用されたそうです。日本では、令和8年(2026年)4月24日(金)から新しいルールが適用されています。
資料では、従来のルールからの追加分として、次の3つが挙げられています。
- 機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで
- 機内においてモバイルバッテリーへの充電をしないこと
- 機内においてモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないこと
2025年7月からのルールとの違い
2025年7月8日からの取り扱いでは、機内でモバイルバッテリーから電子機器へ充電する場合や、機内電源からモバイルバッテリーへ充電する場合は、「常に状態が確認できる場所で行うこと」が協力要請事項とされていました。
2026年4月24日からは、機内でのモバイルバッテリーへの充電と、モバイルバッテリーから他の電子機器への充電そのものをしないよう、ルールが変わっています。以前の案内を覚えている方は、とくに気をつけたいポイントです。
| 項目 | 2025年7月8日から | 2026年4月24日から |
|---|---|---|
| 収納棚 | 収納しない(協力要請) | 収納しない |
| 持ち込める個数 | 160Wh以下で、100Wh超~160Wh以下は2個まで | 160Wh以下のものを2個まで |
| 機内でのモバイルバッテリーへの充電 | 常に状態が確認できる場所で行う | しない |
| 機内での電子機器への充電 | 常に状態が確認できる場所で行う | しない |
モバイルバッテリーの機内持ち込みルール7つ
国土交通省の資料「【旅客の皆様へ】モバイルバッテリーの持込みについて」では、次の7つのルールが示されています。
1. 預け入れ荷物に入れない
モバイルバッテリーを預入(受託)手荷物に入れることは禁止されています。スーツケースに入れて預けず、機内に持ち込むようにしましょう。
2. ワット時定格量は160Whまで
ワット時定格量が160Whを超えるものは、持ち込みが禁止されています。容量の計算方法は、このあとの章でご紹介します。
3. ショートしないように個々に保護する
端子に絶縁テープを貼る、ケースや収納袋に入れる、複数のバッテリーや金属品と同じ袋に入れない、などの方法でショートを防ぐよう案内されています。
4. 座席上の収納棚に入れない
モバイルバッテリーは座席上の収納棚に収納せず、座席ポケットなど手元に保管するよう案内されています。2025年7月8日から呼びかけられている内容です。
5. モバイルバッテリーは2個まで
2026年4月24日から、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)までになりました。
6. 機内でモバイルバッテリーを充電しない
機内電源などからモバイルバッテリーへの充電は禁止されています。
7. 機内でモバイルバッテリーから電子機器に充電しない
モバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないよう案内されています。電子機器の充電は、機内に備え付けの電源を使うよう書かれています。
7つのルールを表にまとめると、次のとおりです。
| ルール | 内容 | 資料での扱い |
|---|---|---|
| 1 | 預け入れ荷物に入れない | 違反すると罰則の可能性 |
| 2 | 160Whを超えるものは持ち込み禁止 | 違反すると罰則の可能性 |
| 3 | ショートしないように個々に保護 | 違反すると罰則の可能性 |
| 4 | 座席上の収納棚に入れない | お願い |
| 5 | 持ち込みは2個まで | 違反すると罰則の可能性 |
| 6 | 機内でモバイルバッテリーを充電しない | 違反すると罰則の可能性 |
| 7 | 機内でモバイルバッテリーから電子機器に充電しない | お願い |
資料には、「1-3、5・6に違反した場合、航空法により罰則が科される可能性があります」と書かれています。
モバイルバッテリーの容量(Wh)の計算方法
本体の表示を確認する
ルール2の「160Wh」は、ワット時定格量(Wh)という単位です。モバイルバッテリーには「mAh」で容量が書かれていることが多いので、Whに換算して確認しましょう。国土交通省の資料では、次の計算式が紹介されています。
| 表示の単位 | 計算式 |
|---|---|
| Ah の場合 | ワット時定格量(Wh)=定格容量(Ah)×定格電圧(V) |
| mAh の場合 | ワット時定格量(Wh)=定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1,000 |
計算の例
資料では、定格容量27,000mAh、定格電圧3.7Vのモバイルバッテリーの例が紹介されていて、ワット時定格量は99.9Whとされています。計算すると、27,000×3.7÷1,000=99.9Whです。
同じように、10,000mAh・3.7Vなら37Wh、20,000mAh・3.7Vなら74Whになります。いずれも160Wh以下です。
JALのよくある質問では、ワット時定格量の確認ができない場合は輸送の可否の判断ができないため、輸送を断ることがあると案内されています。本体に容量や電圧の表示があるか、出発前に確認しておくと安心です。表示が小さくて読みにくい場合は、購入したときの箱や取扱説明書、メーカーの商品ページで確認できることもあります。旅行の前に一度チェックして、メモしておくとよいですね。
予備の電池はどうなる?
モバイルバッテリーと予備の電池の違い
国土交通省の資料では、次のように分けて説明されています。
- モバイルバッテリー:リチウムイオン電池を内蔵するもので、他の電子機器を充電する目的のもの
- 予備の電池(リチウムイオン電池):デジタルカメラなどの電子機器の予備バッテリーや、電子機器から取り外したもの
予備の電池の個数の目安
資料では、モバイルバッテリーの持ち方によって、一緒に持ち込める予備の電池の数が次のように示されています。
| モバイルバッテリーの持ち方 | 100Wh以下の予備の電池 | 100Wh超~160Wh以下の予備の電池 |
|---|---|---|
| 100Wh以下を2個 | 個数制限なし | 2個まで |
| 100Wh以下と100Wh超~160Wh以下を各1個 | 個数制限なし | 1個まで |
| 100Wh超~160Wh以下を2個 | 個数制限なし | 持込み不可 |
カメラの予備バッテリーなどを持っていく方は、モバイルバッテリーとの組み合わせに気をつけましょう。
出発前に確認しておきたいこと
ルールをふまえて、出発前に確認しておきたいことをまとめました。
- モバイルバッテリーは2個までにする
- 本体の容量(mAh)と電圧(V)の表示を確認し、Whを計算しておく
- スーツケースではなく、機内に持ち込む手荷物に入れる
- 端子を保護し、ほかのバッテリーや金属品と同じ袋に入れない
- 機内では座席ポケットなど手元に置く
- スマートフォンなどは、搭乗前に充電しておく
- 利用する航空会社の案内も確認する
機内ではモバイルバッテリーからスマートフォンなどに充電できないので、空港に着く前や搭乗口で待っている間に、スマートフォンを充電しておくと安心ですね。機内で充電したい場合は、機内に備え付けの電源が使えるかどうかを、航空会社の案内で確認してみてください。
モバイルバッテリーの機内持ち込みでよくある質問
3個以上持っている場合はどうすればいい?
2026年4月24日からは、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個までです。預け入れ荷物に入れることも禁止されているので、旅行に持っていくのは2個までにしましょう。
持ち込めなかったモバイルバッテリーは宅配便で送れる?
国土交通省の資料では、持込みできなかったモバイルバッテリーなどは、宅配便などによる貨物としても航空輸送できない場合があると案内されています。宅配便などの運送事業者へ確実に申告したうえで、運送事業者の指示に従うよう書かれています。
外国の航空会社でも同じルール?
国土交通省の資料では、外国航空会社に搭乗する場合には、各航空会社の指示に従うよう案内されています。また、航空会社によってより厳しいルールを設けている場合があるとも書かれています。
スマートフォン本体の電池も対象?
この記事でご紹介したルールは、モバイルバッテリーと予備の電池についてのものです。スマートフォンやパソコンなどの電子機器本体に内蔵された電池の扱いについては、利用する航空会社の案内で確認してください。
モバイルバッテリーの機内持ち込みはルールを確認してから
モバイルバッテリーの機内持ち込みルールについて、もう一度まとめておきます。
- 2026年4月24日から、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで
- 預け入れ荷物には入れず、機内に持ち込む
- 160Whを超えるものは持ち込み禁止。Whは「mAh×V÷1,000」で計算できる
- 座席上の収納棚には入れず、手元に保管する
- 機内では、モバイルバッテリーへの充電も、モバイルバッテリーから電子機器への充電もしない
ルールが変わると戸惑うこともありますが、出発前に確認しておけば、空港で慌てずにすみます。安心して空の旅を楽しむために、荷造りのときにモバイルバッテリーの数と容量をチェックしてみてくださいね。